【MTG公式】記事情報:デザインファイル:『ウルザズ・デスティニー』パート2
1999年に発売されたマジックのセット『ウルザズ・デスティニー』。
当時のデザインリーダー、マーク・ローズウォーターによるカード開発の舞台裏が公開され、現在でも影響を与える名カードたちの誕生秘話が明かされました。
今回はその中でも実際に製品化されたカードの裏話を中心に要点を解説します。
注目ポイントとデザイン経緯
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「オパール色の輝き」
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全体エンチャントをX/Xのクリーチャーに変えるカード、元ネタは「ティタニアの歌」。
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他の能力を残したままクリーチャー化する点が革新的だが、ルール的な複雑さも生んだ。
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「謙虚」とのコンボで多くのルール問題を引き起こす元凶にもなった。
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「補充」
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墓地からすべてのエンチャントを戦場に戻すソーサリー。
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開発段階でマナコストが1軽減され、結果的に大会でも活躍した強力カードに。
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「泥棒カササギ」
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飛行と戦闘ダメージ時のルーティング能力を持つ青のクリーチャー。
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「知恵の蛇」や「好奇心」から派生した能力設計で、基本セットにも収録される定番カードへ。
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「寄付」
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自分のパーマネントを相手に渡すカード。
ローズウォーターの「変則勝利」嗜好から誕生。 -
コンボデッキ「トリックス」で大会を制し、後に赤でリメイクされた。
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「ヨーグモスの取り引き」
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ライフ2点でカードを引くエンチャント。
「ネクロポーテンス」を”弱体化”させたつもりが、さらに壊れたカードに。 -
1ライフで1ドローの効果は強力すぎ、現代でも禁止級のパワーカード。
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「金属細工師」と「ガラクタ潜り」
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手札のアーティファクト枚数分のマナを出せる「金属細工師」と、墓地からアーティファクトを回収できる「ガラクタ潜り」。
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どちらもコンボ色が強く、特に「金属細工師」は多様なアーティファクトデッキで使われ続けている。
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「火薬樽」
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指定マナコストのアーティファクトとクリーチャーを破壊できるカウンター型のアーティファクト。
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「ネビニラルの円盤」に影響を受けつつも、調整された能力設計で柔軟性を持たせた。
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その他のデザイン例
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「沸き立つ汚泥」は黒版リチュアル呪文の進化系。
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「せっかち」はもともと呪文を唱えなかったプレイヤーに土地を失わせる案だったが、最終的にダメージへと調整。
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「猟場番」や「占いの鏡」など、当時としては斬新な発想のミニゲーム的カードも登場。
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まとめ
『ウルザズ・デスティニー』は、ルール面や構築・リミテッドの観点でも多くの影響を残したセットです。
デザイナーの個人的嗜好や当時のマジックの方向性が色濃く反映されており、それぞれのカードがどのように誕生し、何を目指していたのかが詳細に語られました。
今回紹介された多くのカードは今なお統率者やヴィンテージなどで活躍しており、その根底には当時の革新的なアイデアが詰まっています。
次回は製品化されなかったカード群について語られるとのことで、そちらにも大きな注目が集まります。
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