【MTG公式】記事情報:トークンの歴史、パート1

















































MTGでは、ゲーム内の多くの要素がカードを通じて表現されますが、それだけでは不十分な場合もあります。
そうしたときに用いられるのが「トークン」です。
トークンはデッキに含まれない永続物であり、さまざまなデザイン実験やゲーム体験の拡張に使われてきました。
本記事では、その歴史をたどりつつ、トークンの進化と設計上の革新についてご紹介します。
要点解説:トークンの歴史と進化を振り返る
1. アルファ期:トークンの始まり
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初登場は「蜂の巣」カードで、「1/1 飛行アーティファクト・クリーチャー・トークンを生成」と指定。
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初代トークンとして、タップ状態の区別方法や死亡時の扱い(墓地に行かず消える)も初めて明文化。
 
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2. アラビアンナイト:変身と乱数の表現
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「ルフ鳥の卵」:感受性のあるタマゴが孵化して4/4飛行クリーチャーになるトークン。
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「スレイマンの壺」:成功で5/5飛行ジン、失敗で自分に5点ダメージというランダム性。
 
3. アンティキティー:トークンとカウンターの融合
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「テトラバス」では +1/+1カウンターとトークンを相互変換可能なデザイン。
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トークンに「エンチャントを付けられない」といった制限も初登場。
 
4. レジェンド:ルールと多様性の確立
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トークンという用語の正式採用及び基本ルールへの組み込み。
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多様な効果:
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「Master of the Hunt」:バンド能力
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「Boris Devilboon」:マルチカラー・トークン
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「Hazezon Tamar」:生成トークンの存在が元のクリーチャーに依存
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「毒蛇製造器」:毒カウンターを与える可能性を持つ毒蛇生成ギミック
 
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5. ザ・ダーク / フォールン・エンパイア:機構重視のデザイン
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「あまたの舞い」:カードのコピーとしてのトークン。
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『フォールン・エンパイア』:色ごとにトークン生成手段を多様化し、「トークンの盤面」で戦う設計を明確化。
 
6. 以降のセット:用途拡大と演出強化
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『アイスエイジ』:「カリブー放牧場」で初のオーラによるトークン生成。
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『ホームランド』:除去でトークンが生成される「影写し」。
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『アライアンス』:
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「Errand of Duty」:インスタントとして初のトークン生成。
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「バルデュヴィアの死者」:速攻付きトークンを生成し、ダメージソース化。
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「Splintering Wind」:累積起動型で自爆トークン生成。
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「饗宴か飢餓か」:除去と生むクリーチャーの二面性。
 
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『ミラージュ』:
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「死後の生命」:除去されたクリーチャーの代わりにトークンを生成。
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「高波」:一時的な防御トークン。
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「屍肉」:撃破したクリーチャーのサイズに応じ複数トークンを生成。
 
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『ビジョンズ』:「大イモムシ」:マナでトークン→変身メカニズムに。
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『ウェザーライト』:「うろの下僕」:マナを使った任意トークン生成。
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『テンペスト』:
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「魂のフィールド」:死亡したクリーチャーのトークン生成。
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「霊の鏡」:エンチャントでトークンを生成し、自身を犠牲に破壊可能。
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「肉占い」:1マナで2/2のゾンビ・トークンを生成しつつ墓地を利用するデザイン。
 
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『ストロングホールド』:
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「モグの横行」:相手クリーチャーをより小さい数のトークンに変える+自分も犠牲にする粛々としたデザイン。
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「ヴォルラスの研究室」:トークンの色とタイプを自由選択可能に。
 
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『Unglued』:トークンそのものをカード化するユーモア溢れる実験。
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『ウルザズ・サーガ』〜『ネメシス』:各種トークン生成の深化、ミラーマッチやトーナメント戦略にも使われる。
 
まとめ:トークンはMTGの進化を象徴する設計ツール
MTGにおけるトークンは、単なる補助的要素に留まらず、「新たなギミックや戦略、演出を生み出す柔軟性の源泉」として設計の中核を担ってきました。
初代の曖昧な表現から、明確なルール化・バリエーション化を経て、「変身」「代替」「ランダム」「拡張表現」「リソース回収」など多様な役割を担うようになりました。
トークンの歴史を追うことで、MTGデザインにおける創造性の進化と、カードゲームが単なるカードの集合以上に広がった背景を垣間見ることができます。
次回は21世紀以降のトークンデザインを追っていきますので、どうぞお楽しみに。
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