【MTG公式】記事情報:Nuts & Bolts #17: メカニズムを見つける、パート1。
マジック:ザ・ギャザリング(MTG)のデザイン工程を深く掘り下げる人気連載「Nuts & Bolts」シリーズ。
その第17回では、「メカニズムをゼロから作る方法」に焦点が当てられています。
MTGのプレイヤーであれば誰もが目にする「フラッシュバック」や「飛行」などのメカニズムが、どのような思考と工程で生み出されるのか?
今回はその裏側に迫ります。
ゲームを遊ぶだけでなく、カードを自作したり、デザインに興味のある方にとって必読の内容となっています。
要点解説
● 「Nuts & Bolts」シリーズとは?
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2009年から毎年1本ずつ発表されてきた、セットデザイン技術に関する連載。
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主にアマチュアデザイナー向けだが、プレイヤーも楽しめる内容。
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今回で17回目。過去には「カードコード」「デザインスケルトン」「初期テスト」などを扱ってきた。
● メカニズムの定義と分類
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メカニズム:複数のカードに登場する、ゲーム内の特定の相互作用。
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キーワード能力(例:飛行、フラッシュバック、占術)
→ 明確なルール文を簡潔に表現。ルール参照も可能。 -
能力語(例:上陸、強襲)
→ 表現はゆるやかでルール参照は不可。主にテーマや雰囲気づくりに活用。
● メカニズムを考案する主な方法
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ひらめきから生まれる:ゲーム体験や直感から(例:フラッシュバック)
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やってみたかった効果を形に:「打ち消されない」など(例:スクラーグノス)
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既存カードの発展:個性的なカードを汎用化(例:霧衣→多相)
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既存性質に名前をつける:複数カードに共通する挙動にラベルを(例:巧技)
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テーマからの派生:セットの物語やテーマに合わせて(例:イニストラード→陰鬱)
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必要な役割を補完:空いているデザイン枠に当てはめる(例:カラデシュ→製造)
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セット内の問題解決:プレイテストから課題を解消する(例:テーロス→授与)
● メカニズムの「デザインスペース」を測るチェックリスト
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対応できるカードタイプの数(例:クリーチャーのみ?インスタントも?)
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使える色の数(例:赤限定?全色対応?)
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使えるレアリティ(例:コモンで使えるか?複雑すぎないか?)
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使えるタイミング(例:戦闘中?ターン中?)
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制限事項の有無(例:終了ステップ誘発では戦闘系に不向き)
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戦略的な影響(例:公開情報が多いとプレイに罠が生じやすい)
● メカニズム「ランブル」の例(架空)
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使用対象:クリーチャー
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色:赤・緑中心
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レアリティ:全対応(ただしコモンは控えめ)
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タイミング:戦闘開始時
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効果:戦闘に関連
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要素:マナ消費型、中盤〜終盤向き
まとめ
「Nuts & Bolts」第17回では、マジックにおけるメカニズムがどのように着想され、構築され、評価されていくかが詳細に解説されました。
キーワードと能力語の違いをはじめ、実際のカードやセットデザインに基づいた多様な事例は、プレイヤーやデザイナーにとって貴重な学びとなります。
また、単なる発想だけでなく、「どの枠に入るのか」「色やレアリティとの相性」「複雑さ」など、実用性の高い視点が豊富に盛り込まれており、ゲームバランスを考える上でも参考になる内容です。
次回の記事では、メカニズムのレアリティ配分や実装数(as-fan)、バランス調整といった実践編が展開されるとのこと。
MTGのデザインの深淵にさらに迫るこのシリーズ、今後の展開にも注目です。
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