【MTG公式】記事情報:マジックの機体の歴史
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MTGの最新セット『霊気走破』は、これまでのセットの中で最も多くの「機体」を含むセットとなった。
これを記念し、MTGにおける機体のデザインの歴史を振り返る。
過去のMTGには「機体」というサブタイプを持つカードは存在しなかったが、それに類するカードはさまざまな形で登場してきた。
本記事では、『霊気走破』に至るまでの機体カードの進化と、それぞれのメカニクスがどのように形作られてきたのかを探る。
要点解説
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MTG初期の「機体」に関する試み
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「海賊船」(アルファ版)
- 機体としての扱いではなく、船とその乗組員をまとめてクリーチャーとして表現。
- 砲撃(ダメージ効果)を持つが、純粋な機体カードではなかった。
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「空飛ぶ絨毯」(アラビアンナイト)
- クリーチャーに飛行を付与するアーティファクトとして登場。
- 最初のバージョンでは、搭乗者が死亡するとカーペットも破壊される仕様だったが、後に削除。
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「羽ばたき飛行機械」(アンティキティーズ)
- 名称的には機体だが、魔法によって自律的に動くものとして扱われ、クリーチャーとしてデザイン。
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さまざまな機体の表現
- 「Al-abara’s Carpet」(レジェンズ):プレイヤーを守る道具として機能。
- 「軍用船」(ザ・ダーク):クリーチャーに「島渡り」を付与し、沈没すると搭乗者も消滅。
- 「Arcum’s Sleigh」「War Chariot」(アイスエイジ):ターンごとにクリーチャーに能力を付与する形式。
- 「Black Carriage」(ホームランド):クリーチャーとして登場しつつも明らかに機体。
- 「Urza’s Engine」(アライアンス):搭乗メカニズムとして「バンド」を採用。
- 「太陽の戦車」(ミラージュ):飛行を付与する効果を持つが、それ以上の特性はなし。
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機体デザインの変化
- 「リモコン飛行機械」(テンペスト)
- 搭乗者がカードをタップすることで飛行を得る、新たなメカニズムを導入。
- 「旗艦プレデター」(ネメシス)
- 初の伝説的機体カード、特定のクリーチャーに影響を与える能力を持つ。
- 「リモコン飛行機械」(テンペスト)
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機体カードの停滞と「機体」サブタイプの誕生
- 2000年代以降、機体カードのデザインが減少。
- 「飛翔艦ウェザーライト」「レガシーの兵器」などが登場するも、直接的な「機体」メカニズムは存在しなかった。
- 『ミラディン』では「ニューロックの滑空翼」のように装備品として機体を表現。
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「カラデシュ」での「機体」サブタイプの確立
- 「密輸人の回転翼機」「領事の旗艦、スカイソブリン」など、明確に「搭乗」メカニズムを持つカードが登場。
- 「搭乗」の仕組み:
- 「リモコン飛行機械」アプローチを進化させ、搭乗者をタップすることで機体を起動。
- 当初は「Board」というキーワードが使われていたが、トークン主体のデッキに依存しすぎるため、クリーチャーのパワーに依存する「搭乗」に変更。
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『イクサラン』での進化
- 「征服者のガレオン船」など、海賊テーマの機体が登場。
- 「機体」は「装備品」と同様に、必要に応じてセットごとに登場する「落葉樹」として位置付けられる。
- ただし、複雑さの問題から「コモン」では使用しないことが決定。
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近年の「機体」の活用
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『神河:輝ける世界』
- メカやロボットをテーマにしたセットで機体が多数登場。
- 「開闢機関、勝利械」:初の統率者として使用可能な機体。
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『ニューカペナの街角』
- 現代的な世界観に合わせ、カラフルな機体を追加。
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『Universes Beyond』
- 「トランスフォーマー」「ドクター・フー」など、外部コラボセットで機体を積極的に採用。
- 「力を欲する者、スタースクリーム」「ターディス」など、世界観に適したデザインが実装。
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その他の特殊な機体
- 「完成化したウェザーライト」(ファイレクシア化したウェザーライト)。
- 「道化車」(ジョークセット用のピエロカー)。
- 「暴走トロッコ」「未確認浮遊船」など、テーマ性の強い機体。
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まとめ
MTGにおける機体のデザインは、「海賊船」から始まり、さまざまなアプローチが試みられてきた。
最終的に、『カラデシュ』にて「搭乗」メカニズムが確立され、それ以降のセットでも応用されている。
『霊気走破』では、過去の試行錯誤の集大成として、最も多くの機体カードが収録されることとなった。
今後も「機体」は特定のテーマに応じて登場し続け、MTGの世界観をさらに豊かにしていくだろう。
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