【MTG公式】記事情報:『久遠の終端』のデザイン:アリュージョン(物語的引用)とトロープ(典型表現)の違い。











最新セット『久遠の終端』の開発にあたり、リード・デザイナーは「スペースオペラ」というSFジャンルの魅力をMagic: The Gathering(以下MTG)に持ち込むという、長年温めてきたアイデアをついに実現しました。
宇宙規模のスケールと独自の世界観を追求する中で、カードのデザイン手法にも新たな視点が加えられています。
要点まとめ
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『久遠の終端』はスペースオペラをMTG流に再解釈したセット
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宇宙を舞台にした壮大な冒険と超常的な力、惑星間の対立や進化をテーマに構築。
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各色に対応する5つの惑星を設定し、世界観の柱とした。
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リサーチ不要なほどの情熱が込められた企画
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デザイナー自身が長年にわたりスペースオペラ(例:「E.E.スミス」の作品)を研究・愛読。
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作品内の「スケールが爆発的に広がる展開」がインスピレーションの核心に。
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「驚異のスケール感」の再現を最重視
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巨大宇宙船、異星人、星間戦争、未知のエネルギー、加速する技術など、ジャンルのトロープ(典型表現)を忠実に再現。
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これを表現するため、巨大カードや派手なデザイン手法も積極採用。
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トロープとアリュージョン(物語的引用)の違いを明確に認識
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トロープ=ジャンルらしさの骨格を示す要素(例:コウモリ→吸血鬼の正体)。
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アリュージョン=特定の物語や文化に直接言及する要素(例:ミダス王、オデュッセウスの逸話)。
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セットでは意図的にアリュージョンを排除し、独立した世界観の構築に注力。
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ユニバースビヨンドとの役割分担
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他作品を直接扱う「Universes Beyond」と異なり、本セットでは独自性と没入感を優先。
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「Farm Boy with a Heroic Destiny」のようなカード名は避け、「統制の腕輪」のような原点的で忘れられた作品への控えめなオマージュのみに留めた。
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カードデザインの実例
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「統制の腕輪」:強大なテレパシー能力を開放するアイテムとして登場。
かつてのスペースオペラへの敬意を込めた小さな引用。
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まとめ:壮大な宇宙叙事詩とともに、新たなMagicの地平へ
『久遠の終端』は、従来のMTGセットとは一線を画し、ジャンルそのものの体現を目指した意欲的な作品です。
過去の有名作品を借りるのではなく、スペースオペラというジャンルが持つスケール感と感情体験を、MTG独自の方法で描き出すという挑戦が随所に見られます。
その結果、プレイヤーは単なるカードゲーム以上の「宇宙的体験」を得ることができ、セットの没入感も高まっています。
「驚異のスケール」を求めるプレイヤーにとって、このセットはまさに夢の舞台となるでしょう。
「心の準備を──接触はすぐそこだ」。そう語る開発者たちの情熱は、カードの一枚一枚に宿っています。
プレリリースでその宇宙の扉を、ぜひ開いてみてください。
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