【MTG公式】記事情報:『久遠の終端』ヴィジョン・デザイン引き継ぎ文書・パート2




現在プレリリースが進行中の『久遠の終端』は、単なる新セットではなく、マジックが「宇宙オペラ」という新ジャンルに挑戦する試みでもあります。
今回、ビジョンデザイン担当者イーサン・フライシャーによる設計文書の後編が公開され、本セットがどのように設計されたのか、その舞台裏が明らかになりました。
要点まとめ
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「コズミックカード」の導入
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各ブースターには1枚のコズミックカードが封入。
通常カードの2倍サイズで、プレイに際しての制約や設計上の工夫も設けられている。 -
対応する「旅人」カードの数を多くし、運用しやすいよう調整。
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バックアップ案として、色ごとの「講義/履修」形式やチェックリストカードも検討。
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主要メカニズムの設計意図
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「ワープ」:一時的に戦場に出現し戦うメカニズム。速攻やETB効果と連携。
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「着陸船・トークン」:後に土地へと変化するアーティファクトトークン。
主に赤・緑で採用。 -
「ヴォイド」:アーティファクトやクリーチャーが墓地・追放領域に置かれたターンに誘発する能力。
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「改善」:『神河:輝ける世界』から継続されたメカニズム。セット途中で削除。
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リミテッド環境の方向性
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『エルドラージ覚醒』のような「バトルクルーザー・マジック」を意識し、高マナ域での大型呪文とクリーチャー戦を重視。
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単色ベースの戦略を簡素に設定し、複色アーキタイプ(WU、UB、BRなど)は自然な組み合わせを目指す。
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トロープとオマージュの取り扱い
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スペースオペラ特有の「巨大宇宙船」「ワープ航行」「宇宙戦」など、一般的なトロープは積極的に取り入れ。
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逆に、特定IPを想起させるような露骨な引用は意図的に避けて設計。
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新しいタイプ/サブタイプの導入
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土地タイプ:「惑星」「小惑星」「月」など。実際に印刷されたのは「惑星」のみ。
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アーティファクトタイプ:「宇宙船」「配備」など。
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エンチャントタイプ:「アノマリー」「ネビュラ」などは最終採用されず。
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クリーチャータイプ:「ドリックス」「アステッリ」など、異星人風の種族が新登場。
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宇宙船の分類
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単座宇宙船=アーティファクト・クリーチャー、多人数用=ビークル、巨大艦=コズミック。
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一貫性を保つため、宇宙船には他のクリーチャータイプ(人間など)を付けない設計に。
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ボーナスシートの構想
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SF調の土地カードを採用。Unfinityの宇宙土地人気を受けたもの。
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まとめ
『久遠の終端』は、従来のマジックとは一線を画すスケール感とテーマ性を備えたセットであり、その設計は周到な世界観構築とゲームバランスへの配慮の上に成り立っています。
新メカニズムや超大型カード、そして宇宙という舞台にふさわしいトロープやアーキタイプの整理が随所に見られ、今後の宇宙系セットやユニバース・ビヨンド展開の礎となることは間違いありません。
9月には「スパイダーマン」セットも控えており、マジックは今、宇宙規模で広がろうとしています。新しい「空間」を楽しむ準備はできていますか?
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