【MTG公式】記事情報:言語・物語・マジック:ザ・ギャザリング―ファイナルファンタジー
人気TCG『Magic: The Gathering』と日本の名作RPG『FINAL FANTASY』のコラボセット。
その舞台裏には、英語と日本語という文化的・言語的に大きく異なる2言語で、初めて同時開発されたという前例のない挑戦がありました。
本記事では、両社の綿密な連携と、翻訳・ローカライズの難しさに立ち向かった取り組みを紹介します。
要点解説
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WizardsとSQEXが共同開発した初の2言語同時開発セット
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セット全体が英語と日本語で同時進行で制作されたのは、MTG史上初。
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翻訳精度と文化的自然さを両立させるため、ローカライズにも大きく注力。
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翻訳とローカライズのバランス
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「正確さ(翻訳)」と「意味・文化の伝達(ローカライズ)」の両立が最大の課題。
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通常は英語で制作 → 各言語にローカライズという手順だが、今回は全工程で日英両言語が並行。
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具体例①:「召喚:蛮神善王モグル・モグXII世」
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英語では「Summon: Good King Mog XII」と省略。日本語では正式名を維持。
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英語表記の文字制限という物理的制約により、一部単語を削除する判断。
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具体例②:「クラウド」カード名
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日本語案の「なんでも屋、クラウド」は英訳が困難。
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最終的に「Cloud, Midgar Mercenary」に合わせて日本語も「ミッドガルの傭兵、クラウド」に変更。
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具体例③:「Suplex/メテオストライク」
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英語ではファンに馴染み深い「Suplex」を採用、あえて日本語名とずらす選択。
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懐かしさと文化的意義を優先し、あえて原作準拠でない表記を採用した事例。
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開発の裏側
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プロジェクト期間は約4〜5年。数千通のメールと数百回の会議を重ねた。
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日本でも複数回の対面テストプレイを実施し、双方向のフィードバックを反映。
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開発チームの情熱
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SQEX側の開発者の中にはMTG歴20年以上のプレイヤーも。
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MTGとFF、両ブランドへの深い理解と愛情がコラボ成功の鍵に。
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まとめ
『Magic: The Gathering—FINAL FANTASY』は、カードデザインやアートの美しさだけでなく、翻訳と文化的適応においても極めて高い完成度を実現しました。
Wizardsとスクウェア・エニックス両社の粘り強い協業と、細部に宿る情熱が、ファンにとっての「本物のFF体験」を実現しています。
今後も、こうした国際的な共同制作の裏側に注目が集まることでしょう。
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