【MTG公式】記事情報:開発者日記:MTGアリーナにおける再録カードの改善。















MTGアリーナにおいて、再録カードの取り扱いやカードスタイルの不一致は長年プレイヤーの悩みの種でした。
これらの課題に対し、開発チームが大胆な仕様改善を行いました。
本記事では、シニアエンジニアのベン・スミス氏が語る「再録改善プロジェクト」の全容を、要点を押さえて紹介します。
要点解説
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再録カードの問題点と旧仕様
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再録カードは印刷ごとに収集管理されていたため、同じカードを複数回集める必要があった。
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例:「選択」を『Jumpstart』・『ドミナリア』・「ミスティカルアーカイブ」などから4枚ずつ集めなければならなかった。
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プレイヤーが既に4枚持っていても、新規印刷では再度収集が求められ、無駄なワイルドカード消費を招いていた。
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新仕様:カードタイトル単位での管理
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今後は「カード名ごとに4枚集めればOK」というルールに変更。
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新しい印刷のカードは1枚集めれば、すでに所持済みの合計が4枚以上なら自由に使用可能に。
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「サリア問題」からの突破口
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同じカード名でもアートやセットが異なることで、スタイル適用が煩雑に。
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特に「スレイベンの守護者、サリア」ではスタイルと印刷の対応が不明確で、誤購入やフラストレーションを引き起こした。
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解決策:Any Card, Any Style(どの印刷にも好きなスタイルを適用)
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所有しているスタイルを、カードタイトル全体に適用可能に変更。
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これによりスタイル適用時の混乱や不便さを解消。
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デッキ構築&バリデーションの改善
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所有確認ロジックを見直し、「スタイルを持っているか」と「そのカードの印刷を持っているか」の判断を柔軟化。
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4枚分の印刷が揃っていれば、どのスタイルでも自由に使用可能。
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UIとクラフト機能の変更点
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所持ピップ表示:複数印刷を持つカードは正しく4枚分として表示。
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クラフト画面:上位レアリティのワイルドカードを消費せず、最も低いレアリティで作成可能に。
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例:「ネズミの群棲」は共通レア扱いで作成可(コモン消費でOK)。
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Craft All機能:不要なクラフトを避けるため、必要分のみ計算してワイルドカード消費。
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Apply Stylesボタン:所持スタイルすべてがカード名単位で候補に。
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パック開封時やセットコンプリートの仕様
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同一カードの4枚所持後に再録版を開けた場合でも、1枚だけ追加入手すれば「新印刷版も4枚扱い」。
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セットコンプやボーナス進捗にも反映。
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バリューパック対策:無駄なレア再録を避ける仕組みが導入され、所持済み分はバルク換算に。
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構築済みデッキの価格調整
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所持カードの再録対応により、デッキ購入価格が割安に(必要なカードのみで再評価)。
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ドラフト中のオーバーレイ改善
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Altキーで確認する収集進捗にも新仕様が反映。
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既に4枚分を所持しているカードをピックした際、正確な所持状況が表示。
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まとめ
MTGアリーナにおける再録カードとスタイルの管理は、長らく複雑で非効率的なものでした。
今回のアップデートにより、再録カードはカード名単位で統一管理され、どの印刷にもスタイルを自由に適用できるようになったことで、デッキ構築・クラフト・スタイル活用すべてが大幅に快適化されました。
開発チームは既存のデータ構造を維持しつつ、デッキ検証の仕組み変更だけで本質的な解決を実現。
この技術的突破は、開発効率とプレイヤー満足の両立を象徴する好例といえるでしょう。
小さな不満の積み重ねに丁寧に向き合い、プレイヤー体験の向上を図ったこの改善は、MTGアリーナにおける再録システムの新たなスタンダードとなるはずです。
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