【MTGRocks】記事情報:MTGデザイナーが「シェイクスピアセット」の可能性で議論を巻き起こす。



近年、Magic: The Gathering(以下MTG)は「Universes Beyond」シリーズを通じて他作品とのコラボを拡大してきました。
指輪物語やFallout、スパイダーマンに至るまで、様々な知的財産がカード化される中、週末に話題となったのが「シェイクスピア作品を題材にしたセット」の可能性でした。
これは、MTGのデザイナーであるマーク・ローズウォーターがファンからの質問に答えたことをきっかけに議論が広がったものです。
要点解説
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シェイクスピア・セットの提案
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「Universes Beyond」でのコラボ対象として、パブリックドメイン(著作権切れ)の古典文学が可能か?という質問が発端。
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ローズウォーターは「観客の規模が懸念材料」とし、「クールなアイデアだが商業的に成功するかは不明」と回答。
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懐疑的な声:ファン層と市場性のギャップ
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指輪物語やドクター・フーといったIPと比べて、シェイクスピアは売上を支えるほどのファン層を持たないという意見。
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プレイヤーにとって内容がマニアック過ぎると、ゲームの敷居を上げてしまう懸念も指摘された。
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「神河」旧セットのように、文化的背景が深すぎると共感を得にくくなる可能性があるという過去例も言及。
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擁護の声:クラシック文学の魅力と過去の成功事例
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現在の「Universes Beyond」は既にマニアックな方向に進んでおり、シェイクスピアも例外ではないという擁護も。
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『指輪物語:中つ国の伝承』は原作ベースであったにも関わらず、MTG史上でもっとも売れたセットの一つに。
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ドラキュラをテーマにしたSecret Lair、アラビアン・ナイトなど、MTGは過去に文学を参照した例が複数存在。
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文化的ギャップと価値観の違い
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古典文学は「知的に見える」「文化的価値がある」とする一部プレイヤーからの支持。
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一方で、それを特別扱いすることへの反発も見られ、「ポップカルチャーも等しく価値がある」とする意見も交錯。
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商業的な懸念と製品化の現実性
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シェイクスピアのような作品はブランド化しにくく、メディア展開も難しいため収益性に不安が残る。
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Wizards of the Coastとしては、より大衆にアピールできるIPを優先するのが現実的な戦略とされている。
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今後の可能性として、Secret Lairのような小規模展開なら実現の余地あり。
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まとめ:夢と現実の狭間にある「文学セット」
MTGにおけるシェイクスピア・セットの議論は、古典文学とポップカルチャーの価値観の差、そしてゲームデザインと商業性のバランスという複数の問題を浮き彫りにしました。
MTGは過去にも文学作品を参照してきた歴史があり、Secret Lairやイニストラードのドラキュラカード、さらにはアラビアン・ナイトのようなセットも存在します。
しかし、現在のMTGは強力なブランドIPとのコラボを軸に展開しており、プレイヤーの多くがそういった「親しみやすい世界観」を求めているのも事実です。
シェイクスピアのような古典が持つ文化的重みは魅力的でありつつも、商業的成功が保証されない以上、フルセットとしての実現は現時点では難しいでしょう。
とはいえ、Secret Lairなど小規模展開であれば、文学作品をテーマにしたカードは今後も登場し得ます。
シェイクスピアだけでなく、シャーロック・ホームズや三銃士、オズの魔法使いなど、現代にまで影響を与える物語群が再評価される未来があるかもしれません。
MTGが「全世界の物語をカードにするゲーム」であるならば、文学の持つ力が再び舞台に立つ日はそう遠くないのかもしれません。
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