【MTGRocks】記事情報:MTG地域選手権が、スタンダードフォーマットのシステム的な問題を明らかに。



先週末に開催された「Regional Championship Bologna」では、1000人を超える参加者が集まり、スタンダード環境の現状が大規模に可視化されました。
その中で圧倒的な存在感を放ったのが、『タルキール:龍嵐録』で強化されたイゼット・果敢デッキです。
特に注目されたのは、新カードである「コーリ鋼の短刀」の活躍でした。
イベントから見えた重要ポイント
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イゼット・果敢の使用率と勝率が突出
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使用率は16.7%で、赤単・アグロ(10.9%)を大きく上回る。
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非ミラーマッチにおける勝率は55%と、全アーキタイプ中トップ。
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ベスト8に3名が進出し、決勝はイゼット同士のミラーマッチとなった。
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赤単との差別化
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イゼットは呪文密度が高く、果敢を活かす構成。
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赤単が採用する「心火の英雄」や「多様な鼠」などは不採用。
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採用される主なクリーチャーは「精鋭射手団の目立ちたがり」や「僧院の速槍」など。
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「巨怪の怒り」への批判とその限界
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トリック1枚でブロックの有無にかかわらずダメージが通る構造が不快と指摘される。
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Saffron Oliveによると、同週末の主要イベント上位における採用率は45%。
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しかし、デッキによっては「巨怪の怒り」の採用が0〜4枚と幅があり、代替戦略でも同等の勝率を記録。
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イゼット果敢の柔軟性と赤系アグロの広がり
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デッキによっては代わりに「この町は狭すぎる」や「稲妻罠の教練者」を採用。
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赤系デッキは一部カードの禁止では崩れず、多様な形で構築されている。
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将来的な懸念
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今後のスタンダードではインスタント(除去)が弱体化し、赤の脅威が相対的に強化される見込み。
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「切り崩し」、「一時的封鎖」、「喉首狙い」などがローテーションで落ちる一方、「コーリ鋼の短刀」や「精鋭射手団の目立ちたがり」は継続使用可能。
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まとめ:スタンダードは構造的変革が求められる段階に
今回のリージョナルチャンピオンシップでのイゼット・果敢の躍進は、単に1枚の強力カードの問題ではなく、赤系デッキの柔軟性と出力の高さが環境全体を支配し始めている現状を浮き彫りにしました。
「巨怪の怒り」を禁止することは一時的な抑止力にはなるかもしれませんが、それだけでは十分ではない可能性が高く、スタンダード環境そのものが、より根本的な見直しを求められていると言えるでしょう。
次期セットでより強力な対抗手段が登場することに期待しつつ、当面の競技環境では赤系アグロ、とくにイゼット・果敢に対する強固な対策を持たないデッキは厳しい立場に置かれることになりそうです。
競技プレイヤーにとっては、現状の赤系環境への対応力こそが、生き残りの鍵となるでしょう。
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