【MTG公式】記事情報:部族デザインの歴史:パート1
「部族」とは、クリーチャーの種類に関係するメカニズムを指し、Magic: The Gatheringにおいてプレイヤー人気が非常に高いテーマの一つです。
この記事では、1993年から2002年までの10年間で初登場した「部族カード」の中から、各年ごとに最も影響力のあったカードを開発者の視点から振り返ります。
要点解説
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1993年「アトランティスの王」
初代MTGセット『アルファ』にて登場した「ロード系」の始祖。
特定のクリーチャータイプに+1/+1修正や土地渡りを与える効果で、後の部族戦略の基礎を築く。 -
1994年「Fungal Bloom」
『フォールン・エンパイア』より。
緑のファンガス「サリッド」が生み出す苗木トークンの生成速度を上げるカードで、部族の応用範囲を示した。 -
1995年「Pestilence Rats」
自分の場にいるラットの数に応じて強化されるデザイン。
従来の「他のクリーチャーを強化」から「自分自身が恩恵を受ける」方向への進化を象徴。 -
1996年「鉤爪のジィーリィーラン」
ドラゴンをデッキから直接場に出すカードで、部族にチューター(探す)という新たなアプローチを追加。 -
1997年「筋力スリヴァー」
他のスリヴァーに能力を与える特徴的な部族クリーチャー群「スリヴァー」の中で最強の1枚。
部族が競技プレイにも通用するテーマであることを証明。 -
1998年「ティタニアの僧侶」
自分の場にいるエルフの数に応じて大量のマナを生成。
部族戦略を爆発力のあるものへと変えた名カード。 -
1999年「錯乱した隠遁者」と「仕組まれた疫病」
前者は初のリス部族強化カードとしてリスデッキを定着させた一方、後者は部族デッキを封殺しうる強力な対策カードとして物議を醸した。 -
2000年「エルフのチャンピオン」
かつての「ロード」デザインを緑にも適用し、+1/+1修正と森渡りを付与。
人気部族への明確なサポート開始を象徴。 -
2001年「不自然な淘汰」
クリーチャーのタイプを任意で変更可能にするカード。
部族の柔軟性を高め、サポート不足な部族への橋渡しを実現。 -
2002年「スカークの探鉱者」
オンサロートにて部族がテーマの中心に。
ゴブリンを生け贄にマナを生む本カードは、カジュアルと競技の両方で活躍。
部族テーマが本格的に開花した年。
まとめ
部族は、MTGにおいてプレイヤーの感情的なつながりを生む重要なデザイン要素であり、1993年から2002年の10年間でその姿を大きく変貌させてきました。
最初は単なる+1/+1強化から始まり、トークン生成、チューター、マナ加速、色のアイデンティティ反映など、部族デザインは多様化し、競技でも通用するテーマへと成長。
2002年『オンスロート』の成功をきっかけに、MTG開発部が部族のポテンシャルを本格的に認識するに至ったのです。
部族の魅力は、単なるメカニズムにとどまらず、ファンタジー世界における部族の物語や世界観との結びつきにもあります。
今後の部族カードの進化にも、ますます注目が集まることでしょう。
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