【MTGRocks】記事情報:ウィザーズ、「MTGのフレイバーテキスト強化に意識的に取り組んでいる」と明言。



『マジック:ザ・ギャザリング(MTG)』における「フレイバーテキスト」は、1993年の発売以来、世界観や物語を伝える重要な要素として多くのプレイヤーに親しまれてきました。
しかし近年、カードの複雑化によりルールテキストの量が増え、フレイバーテキストのスペースが削減。
結果として物語要素の希薄化に対し、多くのプレイヤーから不満の声が上がっています。
こうした声を受けて、開発側は改善への取り組みを始めており、その兆候が最近のセットに現れ始めています。
要点解説
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環境の変化がフレイバーテキストを圧迫
近年のセットでは、新しいメカニズムに伴いリマインダーテキスト(能力説明)が必要となり、カードの文字数が増加。
バニラクリーチャー(能力なしのクリーチャー)もほぼ姿を消し、フレイバーテキストの記載スペースが圧迫されている。 -
ストーリーテリングの機会損失
熱心なファンはウェブで公式ストーリーを読むこともあるが、多くのカジュアル層にとってはカードのアートとフレイバーテキストこそが物語への入口。
これが減ることは、物語から遠ざかる原因となる。 -
マーク・ローズウォーターの明言
プレイヤーからの要望に対し、デザイン責任者マーク・ローズウォーターは「より多くのフレイバーテキストを優先して入れる努力をしている」と回答。
実際に最新セットでその傾向が見られるように。 -
ショーケース版や特殊仕様カードでの工夫
特殊なバージョン(ショーケース版やボーダーレス版など)では、ルールテキストが省略されるため、そのスペースにフレイバーテキストを追加する試みが始まっている。
例:『ブルームバロウ』では18枚のカードに追加または別バージョンのフレイバーテキストが採用された。 -
セットごとの取り組み例
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『Assassin’s Creed』:エッチドフォイル版に追加フレイバーテキスト
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『ブルームバロウ』:ショーケース版に追加・別バージョンのフレイバーテキスト(18枚)
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『ダスクモーン:戦慄の館』:採用数は少なめ
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『霊気走破』:特定のカード群に大量の追加テキスト
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『久遠の終端』:再び18枚程度に回帰
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年ごとのフレイバーテキスト採用枚数の推移
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2022年:平均162枚
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2023年:平均180枚
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2024年:平均188枚
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2025年:平均227枚(1セットあたり、日本円換算で平均65枚増加)
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今後への提案と課題
現状の増加傾向は好ましいが、例えば『霊気走破』のように中身が薄い「セリフ風のテキスト」ばかりでは物語性が薄く、真の意味での世界観強化にはならない。
拡張アートカードに新規フレイバーテキストを加えるなど、さらなる工夫が求められる。
まとめ
MTGにおける物語の中核を担う「フレイバーテキスト」は、カードゲームとしての複雑さの進化により後回しにされがちになっていましたが、プレイヤーの声と開発陣の認識によって少しずつ改善の兆しが見えてきました。
ショーケース版での新たな試みや、セットごとの平均採用数の増加はその一例です。
今後もウィザーズがこの方向性をさらに推し進め、カード単体でも物語性を味わえるような体験を提供し続けることが、MTGというゲームの深みと魅力を維持する上で重要となるでしょう。
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