【MTGRocks】記事情報:MTGの32年の伝統、ターンステップが静かに消えつつある。

マジック:ザ・ギャザリング(MTG)は1993年の誕生以来、数多くの変化を遂げてきましたが、ターン構造は長年ほぼ不変でした。
しかし最近、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストは「アップキープ・ステップ」の役割を縮小する動きを見せています。
この変化は一見些細に思えますが、競技シーンやカードデザインに大きな影響を与える可能性があります。
要点解説
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アップキープ・ステップ縮小の兆候
- 公式発表はないものの、最近のカードでは「アップキープ開始時」ではなく「メインフェイズ開始時」に誘発する効果が増加。
- 『モダンホライゾン3』以降、「静牢」や「不死のさざ波」などで顕著に見られる傾向。
- 次期セット『ローウィンの昏明』でも両方のタイプが混在しており、完全廃止ではなく試験的導入の可能性。
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デザイン哲学の変化
- マーク・ローズウォーター氏はBlogatogで「もしゼロからMTGを作るならアップキープは採用しない」と発言。
- 第一メインフェイズ誘発への移行は偶然ではなく、意図的なデザイン方針。
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競技面での影響
- アップキープ誘発はカードを引く前に判断を迫るため、スキルを試す要素があった。
- 例:「アルティメット・グリーンゴブリン」は引く前に捨てるカードを決める必要があり、デッキ理解が重要。
- メインフェイズ誘発になると情報が揃った状態で判断でき、難易度が下がる。
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特定アーキタイプへの打撃
- 「アップキープ重視」型の統率者(「9代目ドクター」、「秒刻みのオベカ」など)は新規サポートが減少。
- 特にオベカは『サンダー・ジャンクションの無法者』で注目され、価格も上昇していたが、今後は停滞の可能性。
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新規プレイヤーへのメリット
- アップキープは直感的でなく、誘発忘れが頻発。
- 廃止すれば初心者の負担軽減につながり、ゲーム進行がスムーズに。
- 高レベルプレイヤーでもダイスでリマインドするほど忘れやすいステップ。
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議論されるゲーム性
- ローズウォーター氏は「情報が多い方がスキルを発揮できる」と主張。
- コメント欄では賛否両論だが、設計思想としては合理性あり。
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市場動向
- アップキープ関連カードの需要減少で一部価格が下落傾向。
- 例えば、『サンダー・ジャンクションの無法者』期に約1,248円だったオベカ関連カードは現在約780円前後まで下落。
まとめ
アップキープ・ステップはMTGの歴史において象徴的な要素でしたが、現在その役割は縮小しつつあります。
競技性や特定アーキタイプへの影響は避けられないものの、新規プレイヤーにとっては歓迎すべき簡略化です。
完全廃止には至っていませんが、今後のセットでさらにメインフェイズ誘発が増える可能性は高く、プレイヤーはこの変化に適応する必要があります。
長年の伝統が薄れる一方で、より直感的でスムーズなゲーム体験が期待されます。
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