【MTG公式】記事情報:統率者ブランケットのベータ版をご紹介します。








統率者は「マジック:ザ・ギャザリング(MTG)」の中でも特に人気のあるフォーマットであり、多くのプレイヤーが楽しんでいる。
しかし、そのカジュアルな特性ゆえに、対戦相手のデッキの強さが大きく異なることも多い。
今回、統率者フォーマット委員会(Commander Format Panel, CFP)は、この問題を解決するための新しいマッチメイキングシステム「統率者ブランケット」のベータテストを開始した。
このシステムは、プレイヤーが自身のデッキの強さやプレイスタイルに応じたブランケットを選択し、より適切な対戦相手を見つけることを目的としている。
本記事では、その概要と各ブランケットの特徴を詳しく解説する。
要点解説
1. 統率者ブランケットとは?
- 統率者戦のデッキを5つのブランケット(階層)に分類し、適切なマッチメイキングを行う。
- これまでの「デッキの強さを1~10で表す評価」よりも、より明確で実用的な基準を提供。
- 統率者戦の多様性を尊重しつつ、カジュアルから競技レベルまで幅広く対応。
- 各ブランケットにはデッキ構築に関するルールがあり、特定のカードや戦略の使用が制限されることもある。
2. 5つのブランケットの特徴とルール
① Bracket 1: Exhibition(エキシビション)
- 対象:超カジュアルな統率者戦を楽しみたいプレイヤー
- デッキ構築の特徴:
- 勝利よりもテーマ性を重視(例:「カードのイラストに悪役が描かれている」「すべてのカードに数字の4が含まれる」など)
- 禁止要素:
- 「ゲームチェンジャーリスト」にあるカードの使用禁止
- 2枚コンボ、土地全体拒否、追加ターンのカードの使用禁止
- サーチ(チューター)カードの使用は最小限に
② Bracket 2: Core(コア)
- 対象:「プレインズウォーカー・デッキ」や「構築済み統率者」と同程度のデッキを使用するプレイヤー
- デッキ構築の特徴:
- 強力なエンジンやシナジーはあるが、ゲームの終わり方はゆるやか
- 大きなスイングがあるが、ゲームは9ターン以上続くことが多い
- 禁止要素:
- 「ゲームチェンジャーリスト」にあるカードの使用禁止
- 2枚コンボ、土地全体拒否禁止
- 追加ターンのカードの使用は少数のみ(連続で使用・ループは禁止)
- サーチ(チューター)は最小限に
③ Bracket 3: Upgraded(アップグレード)
- 対象:構築済みデッキよりも強化されたデッキを使用するプレイヤー
- デッキ構築の特徴:
- デッキ内のカード選定にこだわりがあり、最適化されている
- ゲームはBracket 2よりも速く進み、1~2ターン早く終了する
- 禁止要素:
- 「ゲームチェンジャーリスト」から最大3枚まで使用可能
- 6ターン以内で成立する2枚コンボは禁止
- 追加ターンのカードは少数のみ(ループは禁止)
- 土地全体拒否は禁止
④ Bracket 4: Optimized(最適化)
- 対象:高火力のデッキを使用し、強力なゲームを求めるプレイヤー
- デッキ構築の特徴:
- 爆発的な展開、強力なチューター、即死級のコンボも許容
- 土地全体拒否やループコンボも想定
- 禁止要素:なし(公式の統率者禁止リストのみ適用)
⑤ Bracket 5: cEDH(競技統率者)
- 対象:大会メタゲームを意識し、統率者戦で最強を目指すプレイヤー
- デッキ構築の特徴:
- 全力で勝利を目指し、最適なカードのみを採用
- 環境を意識したデッキ構築
- 禁止要素:なし(公式の統率者禁止リストのみ適用)
3. 「ゲームチェンジャーリスト」とは?
- ゲーム環境を大きく変えるカード40枚をリスト化。
- リストの目的:
- 統率者戦において極端に強力なカードの使用を制限することで、マッチメイキングの公平性を向上。
- 将来的な禁止リストの候補を明確化し、プレイヤーへの事前告知の役割を果たす。
リストの主なカードカテゴリ
- 強力なチューター(例:「悪魔の教示者」、「神秘の教示者」)
- 相手のプレイを制限するカード(例:「ドラニスの判事」、「三なる宝球」)
- 高速マナ加速(例:「金属モックス」、「古えの墳墓」)
- 過剰なアドバンテージを生むカード(例:「リスティックの研究」、「一つの指輪」)
- ゲームを急速に終わらせるコンボ要素(例:「タッサの神託者」、「死の国からの脱出」)
- 極端なリソース獲得(例:「ガイアの揺籃の地」、「セラの聖域」)
4. ベータテストの展望
- 2024年4月末に正式版の発表を予定(MagicCon: Chicagoでのプレイテスト結果を反映)
- プレイヤーのフィードバックを元に、ルールの改善やカードリストの調整を検討
- 「ゲームチェンジャーリスト」へのカード追加や禁止改訂の可能性も
- 今後、デッキ構築サイトやMagic Online(MTGO)でもブランケット表示が導入予定
まとめ
① 統率者ブランケット導入の目的
- 統率者戦のゲーム体験を向上させるための新しいマッチメイキングシステム
- プレイヤーの意図しないデッキ格差を減らし、より楽しい対戦環境を提供
- 「ゲームチェンジャーリスト」によるカード使用制限で、よりバランスの取れたゲームを実現
② プレイヤーの選択肢
- カジュアルなデッキ(Bracket 1〜3)と競技志向のデッキ(Bracket 4〜5)を明確に区別
- マッチング前に適切なデッキレベルを設定し、より公平な対戦を実現
- デッキ構築に自由度を持たせながら、極端なパワーレベル差を緩和
統率者ブランケットの導入によって、統率者戦がより楽しみやすくなることが期待される。
今後の正式実装に向けて、プレイヤーのフィードバックが重要となるだろう。
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