【MTGRocks】記事情報:奇妙な新デッキ名がMTGプレイヤーを困惑させる
Magic: The Gathering(MTG)には、プレイヤーたちの文化が長年にわたって形成されてきた。
その中でも「デッキ名の伝統」はユニークで、時に不可解な名前がつけられることもある。
最近話題になっている「Orzhov Sewers」もその一例だ。
一体、このデッキ名はどこから来たのか?
また、MTGの歴史の中で生まれた奇妙なデッキ名にはどのようなものがあるのか?
本記事では、その由来とMTGのデッキ名文化を掘り下げていく。
要点解説
1. Orzhov Sewersとは?
- 「Orzhov Sewers」は、モダン環境で強力な白黒のデッキ。
- 主な戦略は「溌剌の牧羊犬、フィリア」や「ちらつき鬼火」を使い、「ベイルマークの大主」などの強力なカードをブリンク(再利用)すること。
- オルゾフ・ミッドレンジやオルゾフ・ブリンクと呼ばれることもあるが、一部のプロプレイヤーやコミュニティでは「Orzhov Sewers」と呼ばれている。
- 現環境ではTier1デッキとされ、特に「オパールのモックス」が復帰したモダンで活躍している。
2. 「Orzhov Sewers」というデッキ名の由来
- デッキ名の由来については、プレイヤーの間でさまざまな説がある。
- 墓地を利用する戦略から「下水」を連想(「ベイルマークの大主」の墓地回収能力が影響?)。
- 初めて使ったプレイヤーが「このデッキはクソ弱い」と言っていたが、後に大会で勝利し、そのまま定着した(皮肉から生まれた説)。
- 元々「Sewers(下水)」は2000年代初頭に使われていたOrzhov系デッキのスラングで、古いプレイヤーが懐かしさを込めて命名。
3. デッキ名と公式イベントの関係
- 大会では「オルゾフ・ミッドレンジ」として扱われることが多く、「Orzhov Sewers」の名称は使われない。
- Star City Games(SCG)のNick Miller氏によると、「Wizards of the Coast(WotC)を怒らせたくない」という理由で、公式放送では「Sewers」という言葉を避けている。
- これは過去の「Rakdos Scam」の事例と同じで、否定的な意味を持つ言葉は公式では採用されにくい。
4. MTGの奇妙なデッキ名の伝統
MTGでは「Orzhov Sewers」のように、ユニークで奇妙なデッキ名が数多く存在する。
① 朝食シリアル系デッキ
- 「トリックス」(2000年頃):「Illusions of Grandeur」と「寄付」を使ったコンボデッキ。
- 「Fruity Pebbles」:「永劫の輪廻」と「ゴブリンの砲撃」を使う無限ダメージコンボ。
- 「Cheerios」:0マナのアーティファクトを大量に使うストーム系デッキ。
- 「セファリッド・ブレックファースト」:「セファリッドの幻術師」を使う墓地コンボ。
② 有名プレイヤーがつけた名前
- 「Nic Fit」(ゴルガリ系デッキ):あるプレイヤーの誤入力が名前として定着。
- 「The Rock」(ゴルガリミッドレンジ):プロプレイヤーが命名、由来はプロレスラーのザ・ロック。
- 「Team America」(スゥルタイコントロール):2000年代のプレイヤーたちがアメリカのチームで使ったことが由来。
③ 公式では使われない名前
- 「Rakdos Scam」(「悲嘆」+「まだ死んでいない」のコンボデッキ):詐欺(Scam)という語感が悪いため、大会では「ラクドス・ミッドレンジ」表記に。
- 「Orzhov Sewers」(今回の話題のデッキ):下水(Sewers)のイメージが悪いため、公式放送では使用せず。
まとめ
- 「Orzhov Sewers」は、モダン環境で活躍するOrzhovミッドレンジデッキの別名。
- 名前の由来は墓地戦略、皮肉、過去のオルゾフデッキのスラングなど複数説がある。
- 公式イベントでは「オルゾフ・ミッドレンジ」として扱われ、「Sewers」の名称は避けられる。
- MTGには長年にわたる「奇妙なデッキ名」の文化があり、「Trix」「Cheerios」「The Rock」など、ユニークなネーミングが数多く存在する。
- 一部のデッキ名(「Scam」「Sewers」など)は、公式では使われず、より一般的な名前に変更されることがある。
「Orzhov Sewers」のようなユニークなデッキ名は、MTGコミュニティの歴史や文化を反映したものだ。
今後も新たな奇妙なデッキ名が生まれ、プレイヤーたちの記憶に刻まれていくことだろう。
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